Fina-lab(株価・業績分析ブログ)

(株)オリエンタルランド【4661】
2025年2月財務・株価分析

この記事では、上場企業の業績や株価等に関する話題を取り扱います。投資は自己責任で行ってください。当記事の内容により何らかの損失を生じたとしても、当サイトは何ら責任を負いません。

何があったのか? - 2024年1月ピークアウト後、40%安値

2024年1月16日に5,684円を付けたのち下落基調となり一方的な下落展開が続く。2025年2月25日時点(1年1か月後)で3,032円。2024年1月比で40%安値となっている。

尚、安値後でもPER40倍超、配当利回り0.4~0.5%と、比較的割高と言える水準である。

2024年1月ピークアウト後、40%安値
株価推移

銘柄特性 - 優待目的の個人に人気。配当利回りは控えめ。

東京ディズニーランド等の入場券等の株主優待が人気な銘柄である。2024年1月に新NISAが始まった影響もあり、個人投資家に多く買われた銘柄の一つでもある。

※参考:ダイアモンド誌2024年3月記事にて、人気銘柄6位にランクイン
【NISA口座】みんなが買っている人気の銘柄は?2024年3/4~3/8までにSBI証券で買われた国内株式の買付金額ランキングを大公開!

逆に配当利回りは、2025年2月時点で0.4~0.5%と、株価下落後でも控えめ水準である。

これらのことから、銘柄特性として国内投資家の需要が強い一方、海外投資家にとっては成長性が見込めなければ今すぐには食指が動かない銘柄と言えるだろう。昨今の株価低迷も、この性質の影響もあったのではと考えている。

また、この銘柄で見逃せないのは、20%を保有する大株主である京成電鉄が度々売却を検討・実施していることである。2024年も3月、11月等に数パーセントずつ売却を続けており、売り圧力に拍車をかけている状況と推察される。

業績はどうなのか - 新型コロナ影響から復活、増収増益を見込む

業績自体は好調である。インバウンド需要と積極的な値上げ施策により、2025年3月期は過去最高売上高を更新する見通しである。

2025年3月期は過去最高売上高を更新見通し
期別業績推移

キャッシュ・フローも特に問題は見受けられない。

2024年3月期のフリー・キャッシュフローは1,760億円を計上。設備投資を自前の営業キャッシュ・フローで賄える展開が続いている。

FCFの状況も申し分なし
期別業績推移

コロナ明け反動で行き過ぎた株高解消は続く。ポイントは配当利回りか。

業績が上向いているとはいえ、いわゆる箱モノビジネスであり、業績の上限は自ずと決まる。大きな成長は見込まれない成熟銘柄である。

配当利回りは0.5%を割っており海外投資家には魅力薄。国内投資家も昨今は米国株・オルカンにご執心である。買い手となるプレーヤーに乏しい状況といえる。配当利回りがせめて1%弱まで回復するまでは、厳しい展開が続くのではないだろうか。

具体的には現在の配当金額でいくと株価1,800円前後か。キャッシュ・フローも好調であることから増配に動く可能性も十分考えられ、その場合はもう少し上値を狙えるだろう。

いずれにしてもコロナ明けの反動により行き過ぎた株高が形成されてしまった可能性が高い。まだまだこの解消局面は継続すると予想する。